笑顔を再び
84歳で旅立たれた故人様は大正琴の師範。
流行歌から邦楽まで多彩な楽曲を演奏して楽しまれていたそうです。
3年前にご主人様のお別れをお手伝いさせていただいたご縁でご依頼をいただきました。
施主を務められたご長女様から、「両親は仲睦まじい夫婦で、母はいくつになっても父のことを“ちゃん付け”で呼んでいました」と教えて下さいました。
自分よりも家族
茨城県鉾田市にて8人兄弟の4番目としてお生まれになった故人様。
ご実家は地元の名主として多くの人たちを雇い入れて、醤油や佃煮を製造する商いもされていたそうです。
素直でおとなしい性格で誰からも愛された故人様。
小さい頃は体が弱かったものの、村で一番足が速かったことが自慢でした。
25歳のときに消防庁に勤務されていたご主人様と出逢い、結婚後は中野区に移られて一男一女育てながら、和洋裁、レジ打ち、保安業、美容部院といったお仕事で家庭を支えました。
大正琴は、ご同居されていたお義父様の介護のストレス解消に28年ほど前から始められて、やがて師範になるまでお稽古に精進されました。
最愛の人が待つ場所へ
ご主人様が定年を迎えてからは、ご夫婦はいろいろな観光地にご旅行されたそうです。
ご夫婦の仲睦まじいご様子がたくさんお写真に納められています。
しかし、「父が体調を崩して介護生活に入ったあたりから、母の笑顔が徐々に少なくなってしまった気がします」とご兄妹は振り返ります。
晩年は施設で過ごされていた故人様に、「大好きな父と一緒に過ごした家に母を帰してあげたい」とのご要望で、お式までの時間を自宅安置といたしました。
お母様に対して自分たちのできることを全てやって差し上げたご兄妹、あとは大好きなお父様と天国で再会して、再び笑顔になってもらうことを願われていました。
お別れも夫婦一緒に
お棺は蓋の上半分を透明アクリル板で覆うことで、最期の装いに身を包まれた故人様と皆様でお会いいただけるエンバー棺。
ご主人様のお式と同様に縦棺のレイアウトといたしました。
お棺を囲むようにご主人様との結婚写真や記念写真、愛用の大正琴と師範のお免状、お花などを配したオリジナル祭壇です。
BGMは故人様が生前にこれを流してほしいと遺されたカセットテープ。献杯では故人様はビールを、ご主人様にはご愛飲の日本酒「剣菱」をお手向けいたしました。
ご家族にとってこの度のお式は、故人様お一人をお見送りするのではなく、おしどり夫婦だったご両親を一緒に送ってあげたいという想いにあふれていました。
担当エンディングプランナー 平川 雅彦
ご夫婦仲がとてもよろしかった故人様のお式は、ご主人様のお式にならう形で進めさせていただきました。
通夜後はご主人様のお式のときお作りになった思い出の映像集「ライフギャラリー」をご覧になりながらご会食、ご歓談のお時間をお過ごしいただきました。
施主のご長女様がライフギャラリーをご覧になられて、「やはり母の分も作ってあげたい」とご依頼を承りました。
献杯のビールと日本酒は、天国で再会されたご夫婦が乾杯していただけるように紙コップでお手向けいただきました。
ご家族の皆様からご用意いただいた茶葉、フルーツ、カステラ、羊羹、お手紙、お写真をお手向けいただきご出棺となりました。
内容とお写真は、ご家族・会社様のご了承を得て掲載させていただいております。
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