• ASUNARO 2011年2月号
  • 業界トップランナーFILE01 葬祭に感動をもたらした男
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『葬祭に感動をもたらした男』

故人の思い遺族の思いをひきだしどう伝えるか

葬儀社アーバンフューネスの遺族との打ち合わせ時間は3時間、ともすれば5時間にも及ぶという。

それは、亡くなった方がどんな人だったかを理解し、それと分かる装飾や演出を考えていったり、遺族の方が亡くなった方への思いを葬儀を通してどう伝えていきたいかのかを知った上で、それにふさわしい提案をするからです。

たとえば、磯釣りが好きだった人の葬儀の場合─
青い砂に白い石を配し、岩を並べてそこに棺が浮かんでいるようにし、愛用の竿を飾って祭壇を作った。会葬者たちの評判が口コミで伝わりアーバンフューネスは温もりのある葬儀をしてくれるという評価が定まっていった。

結婚式で経験した感動を葬式にも

9年前までウェディング業界に身をおいていた中川はマネージャーを務めていた時、プランナーの女性からどうしてもサプライズをやってあげたいという申し出があった。

新婦は保母さんだったが子どもたちに結婚のことを伝えそびれたまま辞めており、それが心残りだった。そこでサプライズとして新婦に知らせず、特別ゲストとして子どもたちを招いたことで、参列者全体が感動につつまれたという。

「葬式のほうが人はもっと困っているだろう。だったら結婚式の感動を葬式にももっていこうと思ったのです。こちらの業界は人数的には増えていてビジネスとしても面白いのではないか。とにかくあの感動を葬儀にももたらしたかった。」と中川は言う。

グリーフ・ケアという考え方

「亡くなって四十九日までがわれわれの仕事なんです。”グリーフケア”と呼んでいますが、呆然としている方の精神的支えにもなってさしあげるし、役所の手続きや年金などに関するお手伝いもしています。感動をもたらす葬儀というコンセプトも含め、われわれの考え方がスタンダードになっていくはずです。さらに、わたしたちのようなやり方をしている場合、どうしても人間が大事になってきます。ですから、将来的には教育・研修のビジネス、さらには人材派遣の事業を考えています。」

自らの仕事を「命を繋ぐ」仕事としてとらえているという中川氏の真摯な姿勢は、これから業界を大きく動かしていくことだろう。